言葉と心と体験
2020年(令和2年)7月9日
陽が出ず雨が降り続く、
雨音の中に鶯と鳶の鳴き声があり小さく虫の音もある。
この鎌倉は幼稚園生の頃から訪れていた地だ。
20年来の顔見知りといったところか。
今日は鎌倉五山に思いを馳せようか。
小町通りは相変わらずの賑わい。
浴衣を借りて街を巡る流行は終わらない。
第五位 浄妙寺
鎌倉五山第五位 稲荷山浄妙廣利禅寺
創建年:文治4年(1188年)
開基:足利義兼
開山:退耕行勇
本尊:釈迦如来
形は講堂のように見える。
雨宿りしたくなった。
合掌一礼し大きく鼻から木と畳とお香の香りを嗅ぐ、
この位置に来たら必ずやらなければならない。
お寺というのはこの香りがあるからこそ
落ち着くのではないだろうか。
第四位 浄智寺
鎌倉五山第四位 金宝山浄智荘厳禅寺
創建:弘安6年(1283年)
開山:南州宏海 兀庵普寧 大休正念
鎌倉では珍しい唐様の鐘楼門がある。
禅にとって良い場所にあると思った。
静けさに溶け込む。
三世仏は過去、現世、未来の三世に渡って
人々の願いを聞き入れてくださるのだ。
とてもありがたいことであり、
これからの旅もより良くなって欲しい。
第三位 寿福寺
鎌倉五山第三位 亀谷山寿福金剛禅寺
創建:正治2年(1200年)
開基:北条政子
開山:栄西
本尊:釈迦如来
美しい参道を往く。
寿福寺は一般公開されていない。
鹿威しの音が中から聞こえる。
近寄れないがここの雰囲気は荘厳だった。
もしかしたらここが鎌倉五山一の秘境なのではないかと
ただならぬ気配も感じた。
第二位 円覚寺
鎌倉五山第二位 瑞鹿山円覚興聖禅寺
創建:弘安5年(1282年)
開基:北条時宗
開山:無学祖元
本尊:宝冠釈迦如来
ここはとにかく広い。
仏像は撮影対象ではなく信仰の対象だと聞いたが、
その通りだと思うが自分自身を否定したくもない。
方丈で一息。
上まで上がれば国宝の洪鐘がある。
この鐘の音を聴く日が来るのだろうか。
第一位 建長寺
鎌倉五山第一位 巨福山建長興國禪寺
創建:建長5年(1253年)
開基:北条時頼
開山:蘭渓道隆
本尊:地蔵菩薩
第一位に相応しいお寺だ。
この世ではないどこかと繋がっているのは確かだ。
遠くを見ているようでこちらを見透かしている。
何も悪いことをするつもりはないが、
悪さをしたらとんでもない罰が下りそう。
禅の言葉に不立文字がある。
お釈迦様の教えは文字で伝わるものではなく、
体験することで悟りを実感するということ。
実際に体験を通して心から心へと伝えること。
これからも行動を大切に
自分なりの言葉を見つけて旅は続く。