ディーゼルは止まらない②
一日の始まりは一日乗車券から。
どこまでも行ける気がする。
2020年(令和2年)8月11日
国内では基本雨に当たる幸運な持ち主。
今日もゆっくりして行こう。
始発の土佐電に乗車し高知市内を往く。
出庫していく単車。
車庫は秘密基地なのだ。
吊り掛けの重い音が街中に響く。
車輪の上の床に足を付けると振動が身体に伝わってくる。
飛び跳ねる車体、左右に揺れるつり革。
窓の摘みを押して窓を上にあげる。
風が入ってきて気持ちが良い。
鉄道が好きな理由。
この趣味が終わると思うか?
土佐電に乗ったなら「ごめん」は絶対。
後免は「諸役、諸税の御免の町」から由来されている。
戻る前に名物のアイスクリンを食べて待つ。
高知城もまた遠くに見える。
天守は工事中。
無言で石垣を眺めながら坂を駆け上がる。
街中を一望するにしてもいつも探すのは鉄道路線だ。
高知では一日滞在した。次は最後愛媛県に突入する。
南風12号
高知(11:13)→多度津(12:58)
最近の一押し鯖の押し寿司を食べて乗換駅の多度津駅へ向かった。
ここで乗り換え時間の間に見ておきたい場所へ。
しかし今は駐車場の一角の誰でも触れるところにある。
大正時代の給水塔だから驚きだ。
多度津駅を起点に丸亀駅と琴平駅の15.5キロで営業が始まった讃岐鉄道。
四国鉄道発祥之地にあるSL58685号機。
こちらは駐輪場の奥にあった。
このまま最後の目的地の松山までまだ距離がある。
乗り遅れると夜に松山に着いてしまう。
特急列車必須の地域。
しおかぜ11号
多度津(13:22)→松山(15:17)
高速で走るしおかぜの車内から高速で流れる瀬戸内海を少し楽しみ松山着。
10年ぶりの松山市だがさすがに記憶はない。
今夜の宿は駅の隣のホテルで一泊。
着替えを置いてリュックを軽くして路面電車に乗った。
まずは全路線制覇をするのだが、
最初に道後温泉方面がスタートを切るのに相応しいだろう。
坊ちゃん列車は駅前のいつもの場所でお休み。
淡い記憶でお湯が熱すぎてなかなか入れなかったような思い出がある。
覚えていないのが残念でしかない。
あっという間に全線制覇を果たし達成感と
ご褒美の吊り掛けのモーター音を聴く。
もう一つのご褒美の夜ご飯へと続く。
愛媛県のレストランと言ったらレストラン北斗なのか。
地元のチェーンレストランも悪くないよ。
鯛の釜めしも贅沢に頂く。
地酒も忘れずにね。
伊予鉄郊外電車を見送り今日の一日が終わった。
ディーゼルは止まらない①
今年の夏休みは日本の夏を探しに行きたいと思うのであった。
自分らしい夏とは。
2020年(令和2年)8月9日
いくつになろうと夏がやってくると浮かれ気分。
何でもできる気がする無限の可能性。
今日もB寝台なり。
東京駅からサンライズ瀬戸に乗り明日の朝には香川県の高松市に着く。
前回サンライズ出雲に乗った時に次はサンライズ瀬戸にも乗ろうと思い今日叶う。
前日に券を購入したが下段しか空きがなかった。
東京駅で買ったおにぎりを3つ食べて就寝。
2020年(令和2年)8月10日
岡山駅で目が覚めるが出雲に行った時の様に再び眠る。
瀬戸大橋を渡る瞬間を見たい気持ちもあったが眠気が勝った。
車内放送で高松の名前が出た時とても焦った。
車内放送で目が覚める。
何も準備をしていなかった。
この日は終点が琴平まで延長されていたため助かった。
高松駅で30分も停車する。車内はガラガラだ。
とても暑い日本の夏が始まった。
終着駅は寂しいものだがこの高松から再び旅が始まる。
7時過ぎうどんを探しに駅を出る。
すだちの入ったうどんで朝の空腹を満たす。
せっかくの香川県だからお城を見ようと思った。
この際、四国四県の城を制覇しようと意気込む。
まずは丸亀城だ。
気持ちが昂る時刻表。
しまんと5号
高松(08:25)→丸亀(08:46)
時刻表を見つめ心が旅する。
時刻表は宝の地図の様なものだ。
また先の行き先を考えていたらもう丸亀駅に着いてしまった。
丸亀駅へ20分で到着。
駅から10分くらいで入り口に着くが天守が随分遠くに見える。
ここから登山が始まる。
城は攻めにくい方が良いに決まっている。
たどり着く前に歩き疲れた。見事罠に掛かってしまった。
天守にたどり着いてみたが予感が当たった。小さかった。
城についてまだ詳しくはないが基本はこのくらいの大きさが一般的なのか。
有名な城はどれも大きいからつい小さいことに対して残念に思ってしまう。
ここで丸亀市を一望した。
最上部で流れ込んで来た風が気持ち良かった。
高松駅に戻り徳島へ向かう。
うずしお11号
高松(11:05)→徳島(12:15)
徳島駅ではたくさんの車両を見た。
JR四国のキハ40に乗ることは出来なかったが
見ることができただけ贅沢と思えてしまうくらい貴重になってしまった車両だ。
夏の四国鉄道旅を体験してます。
徳島では駅地下で昼ご飯を食べただけで離れる。
通過地点となってしまった。
剣山7号
徳島(15:01)→阿波池田(16:16)
山間が美しい。この街を歩けばまた新たな出会いがあっただろう。
今は高知へ急ぐのだ。
南風15号
阿波池田(16:30)→高知(17:41)
南風は一番最初に覚えた特急列車だから乗らなければならない。
今回の旅でひとつの目標を達成した。
武市半平、坂本龍馬、中岡慎太郎の土佐の英雄の像が迎えられる。
さくらホテル高知で一泊。
先にチェックインを済ませ夜の高知を歩く。
高知なら鰹のたたきか。
このカツオを切っている時に切らずに丸々一本かぶりつきたくなった。
もう一品は鰹のお茶漬けを食べた。
鰹は一年に一回も食べない。胃も驚いてしまっただろう。
明日は高知城と土佐電に乗ろうと思い。
ホテルまで夜の高知市を歩く。
続く・・・
言葉と心と体験
2020年(令和2年)7月9日
陽が出ず雨が降り続く、
雨音の中に鶯と鳶の鳴き声があり小さく虫の音もある。
この鎌倉は幼稚園生の頃から訪れていた地だ。
20年来の顔見知りといったところか。
今日は鎌倉五山に思いを馳せようか。
小町通りは相変わらずの賑わい。
浴衣を借りて街を巡る流行は終わらない。
第五位 浄妙寺
鎌倉五山第五位 稲荷山浄妙廣利禅寺
創建年:文治4年(1188年)
開基:足利義兼
開山:退耕行勇
本尊:釈迦如来
形は講堂のように見える。
雨宿りしたくなった。
合掌一礼し大きく鼻から木と畳とお香の香りを嗅ぐ、
この位置に来たら必ずやらなければならない。
お寺というのはこの香りがあるからこそ
落ち着くのではないだろうか。
第四位 浄智寺
鎌倉五山第四位 金宝山浄智荘厳禅寺
創建:弘安6年(1283年)
開山:南州宏海 兀庵普寧 大休正念
鎌倉では珍しい唐様の鐘楼門がある。
禅にとって良い場所にあると思った。
静けさに溶け込む。
三世仏は過去、現世、未来の三世に渡って
人々の願いを聞き入れてくださるのだ。
とてもありがたいことであり、
これからの旅もより良くなって欲しい。
第三位 寿福寺
鎌倉五山第三位 亀谷山寿福金剛禅寺
創建:正治2年(1200年)
開基:北条政子
開山:栄西
本尊:釈迦如来
美しい参道を往く。
寿福寺は一般公開されていない。
鹿威しの音が中から聞こえる。
近寄れないがここの雰囲気は荘厳だった。
もしかしたらここが鎌倉五山一の秘境なのではないかと
ただならぬ気配も感じた。
第二位 円覚寺
鎌倉五山第二位 瑞鹿山円覚興聖禅寺
創建:弘安5年(1282年)
開基:北条時宗
開山:無学祖元
本尊:宝冠釈迦如来
ここはとにかく広い。
仏像は撮影対象ではなく信仰の対象だと聞いたが、
その通りだと思うが自分自身を否定したくもない。
方丈で一息。
上まで上がれば国宝の洪鐘がある。
この鐘の音を聴く日が来るのだろうか。
第一位 建長寺
鎌倉五山第一位 巨福山建長興國禪寺
創建:建長5年(1253年)
開基:北条時頼
開山:蘭渓道隆
本尊:地蔵菩薩
第一位に相応しいお寺だ。
この世ではないどこかと繋がっているのは確かだ。
遠くを見ているようでこちらを見透かしている。
何も悪いことをするつもりはないが、
悪さをしたらとんでもない罰が下りそう。
禅の言葉に不立文字がある。
お釈迦様の教えは文字で伝わるものではなく、
体験することで悟りを実感するということ。
実際に体験を通して心から心へと伝えること。
これからも行動を大切に
自分なりの言葉を見つけて旅は続く。
朝の陽射しに向かって
2020年(令和2年)6月10日
東京駅22時発サンライズ出雲が動き出す。
きっかけは「出雲大社を見よう。」これだけだった。
そして寝台列車に乗っていくことが性にあっている。
一日が終わり、夜の街は眠りの中へ。
さて行こうか。950キロ先へ。
みどりの窓口で券を買ったのだが、
「10日発サンライズ出雲で空いてるところありますか。」
A寝台は空いてなかった。
B寝台は空いていた。
「先頭の車両で空いてるところをお願いします。」
どこでも良かったのだが、迷ったら前を頼んでしまう癖。
8号車1番シングルはサンライズ出雲の先頭車両で先頭の寝台。
乗車券は東京都区内から出雲市で12210円
特急券が3300円でB寝台券は7700円の合計23210円だ。
個室ではNHK-FMのラジオを聴くことができる。
イーグルスの特集でホテルカリフォルニアから何曲かピックアップされていた。
New Kid in Townの歌詞の「Johnny come lately」は新参者という意味。
You look in her eyes the music begins to play
Hopeless romantics here we go again
ここの部分が特に好きだ。とても美しい曲。
個室は丁度良い広さ、広くはないが圧迫感もない。
静岡駅辺りで眠る。
2020年(令和2年)6月11日
目が覚めたら伯備線を走行していた。
鳥取県の日野という街だ。
雨は止まない。
12時間かけて出雲市駅に到着した。
少し肌寒い。
駅舎は出雲大社に似せている。
まずは今晩の宿へチェックインする。
昼前からチェックインできるとは便利だ。
テレビで島根の地方番組を見て出発。
直線区間も大きく揺れながら走る。
時より飛び跳ねる感覚を味わいながら走る。
駅舎は登録有形文化財だそうだ。
駅を出て右にまっすぐ進めばそこは出雲大社。
雨が止んだ。
ここは歴史的な地であり、神話の地でもある。
毎度のことではあるが木の温もりで癒される。
木が語り掛けてくれるようで何も語ってはくれない。
結局は自分で思いをはせるしかない。
因幡の白兎たちが祈りをささげる。
ただただ感心してしまうほど大きいしめ縄。
出雲大社は一度は見たいと思っていたが、
実際に見てみればやはり来て良かったと思えた。
イシガメたちにあいさつ。
一キロ西へ海に向かう。
旧暦10月10日に全国の八百万の神々をお迎えする浜でもある。
浜の上にあるが弁天島と呼ばれている。
昔は海に浸かっていたそうな。
出雲に来たなら出雲そばを食べないと。
割子そばを食べる。
そばはどこで食べても味はあまり変わらず
そしてどれもおいしいと思っていたが、
出雲そばは他のそばと違った。
ぼそぼそ感が強いがこの方が好みかもしれない。
好きなそばを見つけてしまった。
薬味も独特で、もみじおろしの味が印象に残る。
そろそろ時代を進めようか。
381系のやくもに乗り松江駅を目指す。
やくも26号岡山行き。
出雲大社を後にしてから雨が降り始める。
日本に天守閣は12あり国宝の天守閣は松江城を含めて5つある。
今日も松江市内を見下ろす。
お城の一番の魅力は石垣だと思っているが
それ以上に松江城は色合いも良い。
大切にされているのだとすぐに分かる。
東南アジアの旅と違い、
日が沈めばもう宿に戻ろうと思ってしまう。
この日は天気も悪く、気温も低い。
気分もそこそこに帰ろう。
鈍行だと50分かかる。
学校帰りの中高生と一緒に揺られ出雲市駅に戻ってきた。
らしくないかもしれないが晩飯を食べてもう寝よう。
翌朝7時45分まで熟睡した。
2020年(令和2年)6月12日
駅の中にあるレストランで朝食を食べる。
出雲に来て一回の食費が全て800円を超える。
これが普通に思えないのはケチなのだろうか。
おいしいから許せるがこれでは何度も旅に行けない。
出雲を離れる時。
空港へのアクセスはバス一択だ。
30分の道のりで720円。
空港で最後の昼ご飯。
最後はそばで終わろうか。
日本航空:JL280
機材:B737-800(JA330J)
座席:26K
料金:24,690円(特便割引3-タイプC)
この光景はもう見たくないな。
悲しいでしょう。
天香久山に向けて
2020年(令和2年)3月5日
日常から非日常の世界に行ったとしてもそこは誰かの日常である。
羽田空港も夜の利用がほとんどになってしまった。
あまりにも手続きが早く何か忘れてないだろうかと不安になる。
20時になるとお店が閉まる。
閉店まで10分前、飲食店はラストオーダーが終わっている。
ヒレカツと天むすと贅沢をしてしまった。
なぜか出発前の飯は格別美味しく感じる。
お腹を満たせば後は乗るだけだ。
最後にJALに乗ったのは長崎に行ったときだ。
LCCに乗り慣れると普通の座席でも贅沢をしている気分だ。
日本航空 JL229
機材:B737-846(JA329J)
座席:29A
料金:14,230円(特便割引1-タイプC)
溜まったマイル5000円分を使ったから9千円で行くことができた。
23ゲートから搭乗し大阪へ向けて旅立つ。
夜の滑走路の光が眠気を誘う。
1時間のフライトは忙しくCAも乗客もゆっくりする時間はない。
そんな中お楽しみの時間といえば
JALのスタンプ集めだろう。
CAさんがそれぞれ出身地のQRコードを持っている。
これを読み取り最終的に47都道府県集める。
最初の都道府県は東京都。
その後アップルジュースを飲み、
3列のシートを独り占めにして寝たのであった。
目を閉じたらあっという間に着いた。
大阪は東京より寒かった。
空港内の移動も快適に
HATAGO INNという名前のホテル
部屋に着くといつも緊張する。
そしてどのホテルでもシャンプーと髪の相性が悪い。
髪の毛に違和感を持つもすぐに寝てしまった。
朝は6時に起きようと思っていたが、目が覚めて7時半。
正直な睡眠。快眠。
2020年(令和2年)3月6日
昨日ほど寒くなかった。
夜に到着したからすぐ近くが海だと気が付かなかった。
このまま一旦空港へ戻る。
鉄道の旅がはじまる。
ちょうどラピートに乗ることができた。
新今宮、なんば
どの駅も聞いたことがある。
鉄道ファンであり、地理、歴史が好きだと
移動も楽しみの一つになる。
折角のなんばだが乗り換えだ。
車両の並びを待っていたが、全てのホームが埋まることはなかった。
ホームに降りてアーバンライナーを見れば、
「あぁ小さい頃に見た鉄道図鑑にあったぞ。」と嬉しくなる。
次はいよいよ大和西大寺だ。
ここからならどこへでも行けそうだ。
ポイントも多いが架線も大変なことになっている。
ここをラッシュに限らず何本もの列車が行き来する。
橿原神宮前方面へ行き、明日香村を巡回するバスに乗った。
日本最初の寺だ。
日本史を思い出すひと時。
飛鳥大仏は鞍作鳥に造らせた日本最古の仏像。
ひたすらに静寂な一室。
仏になるとは何だろうか。
話しかけてはいけない雰囲気。
飛鳥寺では鐘をつくことができる。
上は有頂天より下は奈落の底まで響けよかしと念じて静かに一度
飛鳥の地に響くのか
もうすぐ春を迎える。
この地で一足先に。
春すぎて 夏来にけらし 白妙の 衣ほすてふ 天の香具山
香久山に魅了される人たち。
藤原京から見た香久山
大阪から奈良へ来たなら京都から帰ろう。
関西の電車に懐かしさと新鮮さを
103系がまだ現役で走る。
いつまで奈良の地で走ることができるだろうか。
車内放送前のいい日旅立ちを聴いて眠りにつく。
東京の下町から空を見守る
2020年(令和二年)2月3日
すぐ近くにスカイツリーが見えるが
実際は歩きでは到底辿り着かない。
都電や荒川線と言った愛称があるが、
東京さくらトラムとは何だろうか。
沿線のバラは5月からが見どころ。
路面から追いやられた都電。
下町を歩いて数10分、飛不動尊つ着いた。
1530年、正山上人によって開かれた天台宗の寺院で
関東三十六不動霊場の第二十四番札所
飛不動尊
旅人の守り本尊
絵馬の内容は他の寺院には無い航空関連が多かった。
洗心童子
洗心、
心の塵を洗い落とす、
心の煩累を洗い去り浄める、
改心すること。
阿羅漢
最高の悟りを得た尊敬や施しを受けるに相応しい聖者
飛行護
次の旅から連れて行こう。
恋しい石畳、切ない石畳 東京市電が目覚める
2020年1月27日
路面電車と石畳の組み合わせが好きだ。
石畳の上を走り、揺れ、街を移動する。
今となっては貴重な時間だ。
長崎は元都電と石畳を見ることができる。
1944年(昭和19年)に廃止された路線が
今から開通するのではないかと思うほど街並みに溶けむ。
都電ではなく市電の時代。
昭和と平成を越え、令和に再び目覚めた。
昔の東京が現れた。
東京の路面電車に東京の石畳だ。
すぐ下に閉じ込められていた線路。
刻まれてしまった。
急に都電に乗りたくなった。
荒川車庫前へ。
5500形(5501)のPCCカー
現在の都電荒川線。
今の自分から見たら都電とは言い難い。
都電といったらこの姿。
都民の足として親しまれた都電は都市の発展に貢献し、
都市の発展とともにやがて姿を消していった。
現在では荒川線が残るのみである。
東京の懐かしさの一つが都電であろう。